経験ゼロでタクシードライバー(タクシー運転手)へ転職し、デビューまでの流れ

もくじ

「タクシードライバーに転職したいけどタクシードライバーとしてデビューするまでには、なにをするんだろう?」と多くの人が悩みます。

実は、タクシードライバーになるには、いくつかの段階を踏む必要があります。私も当時は「二種免許さえ取ればすぐにタクシードライバーとして転職し、デビューできる!」なんて思っていました。

そこでこのページでは、経験ゼロでタクシードライバーになるまでの流れを紹介します。

1.面接・健康診断

タクシードライバーとして転職するとき、経験者と未経験者の二つに分かれます。
経験者であれば、二種免許をもっていますので転職に有利です。

では、タクシー未経験者は初めに何をすればいいのでしょうか。このとき、いきなり二種免許を取得することではありません。まずは自分の希望にあったタクシー会社を探すことからです。

その方法として、タクシー専門の転職サイトの利用があります。タクシー専門の転職サイトでは、相談員が無料で勤務地や給与形態、勤務の内容など、自分の希望に合ったタクシー会社を見つける手助けをしてくれます。

私がタクシードライバーへの転職を考えた時には、このようなタクシー専門の転職サイトが存在していませんでした。そのため、新聞の折り込みや求人誌などで探しつつも詳細がわからず会社選びに苦労しました。

ただ、現在ではインターネットが普及したおかげで自宅にいながら会社選びができるようになりました。

私の会社に入ってきた後輩でも、タクシー専門の転職サイトを利用することで「求人誌などで会社選びをする手間が省くことができ、希望にあった会社を見つけることができた」といっていました。

このことから、タクシー専門の転職サイトのサービスを利用することをおすすめします。

また、転職するためには履歴書は必須です。そのほかにもタクシードライバーへの転職で特徴的なものとして、お客様の命を預かり常に安全運転ができることが必須なので「運転記録証明書」を求められることがあります。

運転記録証明書とは、過去5年・3年・1年の交通違反・交通事故などの記録の証明書です。各都道府県の自動車安全運転センターが発行しています。

取得方法は2通りあり、1つ目は、各都道府県の「自動車安全運転センター」で直接申請する場合です。こちらは、直接受け取り、または郵送となります。どちらも3日程度かかります。

2つ目は、警察署・交番等・駐在所に備えつけられている申請書に必要事項を記入して郵便局から申請する方法です。こちらは郵送で10日程度かかります。証明書の交付手数料は、どちらの方法でも一律630円です。郵便局から申請の場合は別途払い込み手数料がかかります。

また、代理人での申請も可能ですが、受付窓口は自動車安全運転センターのみとなります。この場合、委任状が必要になりますので、申請する人の必要事項の記入に漏れがないように注意が必要です。

下記は、自動車安全運転センターで発行している運転記録証明書です。

運転記録証明書

出典:自動車安全運転センター

また、ほとんどのタクシー会社では、面接のあとに会社指定の病院で健康診断を行います。基本的に車の運転に支障がなければ問題ありませんが「持病があるんだけど大丈夫かな?」、「薬を服用しているんだけど…」など、心配がある場合は事前にタクシー専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。

2.普通二種免許取得(14日前後)

タクシー転職サイトで自分の希望に合ったタクシー会社が見つかったら、次のステップは普通二種免許の取得です。普通二種免許とは、正式名称は「普通自動車第二種免許」といいます。車にお客様を乗せる場合に必要な免許です。

また、二種免許を取得するには適性検査技能試験学科試験という3つの試験に受かる必要があります。

二種免許の取得の方法は教習所での取得が主流になっています。
平成14年6月に「道路交通法」という法律が改正され、各都道府県の公安委員会が指定する自動車教習所(一般的に指定教習所といいます)で技能試験を受けられるようになりました。

そのため、現在は難易度が高い技能試験を「各都道府県の公安委員会が指定する自動車教習所」で行うことができ、ほぼ確実に二種免許を取得することができます。

ただし、学科試験は技能試験に合格した後に運転試験場で行います。二種免許を取得までの日数はおおよそ14日前後かかります。

また、現在でも各都道府県の公安委員会が指定する自動車教習所ではなく、運転試験場で直接、技能試験と学科試験の両方受ける方法を採用しているタクシー会社もあります。

理由は、二種免許を取得する費用が各都道府県の公安委員会が指定する自動車教習所より安く抑えられるためです。

運転試験場での技能試験は難しくないの?」と思う人もいると思います。この場合、会社指定の運転試験場で直接、技能試験と学科試験を受けるための教習所が存在します。

この教習所で特に難易度の高いといわれている技能試験に向けて、運転の基礎から技能試験の合格ポイントなどを徹底的に指導を受けます。

運転試験場で直接試験を受ける方法は、二種免許を取得までの日数は最短で10日程度です。ほとんどのタクシー会社が二種免許を取得するための制度を設けていますので二種免許を取得までの費用を負担してくれます。

ただし、ここで注意が必要です。二種免許を取得までの費用はおおよそ19~25万円かかります。

そのためタクシー会社によっては「覚書」または「借用書」を交わし、おおよそ入社後2年以内で退職すると会社が負担した二種免許を取得までの費用を支払わなければなりません。会社から二種免許を取得までの費用を借用したイメージです。

なお、中には「運転に自信がないけど大丈夫かな?」、「年齢的に二種免許を取得できるか不安なんだけど…」という不安や悩みがある人もいると思います。

特に技能試験については運転技術には個人差があるように、技能試験に合格するまでの期間に個人差があるのも事実です。これを解消するには、教習所で基礎から運転技術を磨くことが不安を解消する近道です。

また、二種免許の取得に、年齢制限はありませんのが、適性検査に合格しなければなりません。この適性検査に合格して、特に運転に支障がなければ二種免許の取得には問題ありません。

下記は適性検査の概要になります。

視力 片眼で0.5以上、両眼で0.8以上(眼鏡、コンタクトレンズは使用可)
深視力 深視力は三桿(さんかん)法の検査機により2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下
※深視力とは、両眼視機能のことで、ふたつの目で見る力「遠近感」や「立体感」をいいます。
※三桿(さんかん)法とは、専用の装置(奥行知覚検査機)を覗き正面に3本並んだ棒の内、真ん中の棒だけが前後に移動します。3本の棒が平行に並んだ時に装置のボタンを押すというものです。
色彩識別能力 赤・青・黄色の三色が識別できること
聴力 日常の会話を聞き取れること
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器使用可)
運動能力 普通自動車等の安全な運転に必要な認知またはハンドルその他の装置を随意に操作できること

3.社外研修・地理試験(4日~)

無事に二種免許を取得したら次は社外研修です。社外研修では、東京・横浜・大阪の下記の地域(特定指定地域)でタクシードライバーとして仕事をする場合、タクシードライバーになるために必要な法令・地理・安全・接遇に関する講習を受けます。

さらに、その後に実施される輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験(法令・安全及接遇および地理の二科目の試験)に合格する必要があります。

特定指定地域
・東京特定指定地域(23区、武蔵野市及び三鷹市)
・横浜地域(横浜市、川崎市、横須賀市及び三浦市)
・大阪地域(大阪市、堺市(美原区除く)、和泉市、池田市、吹田市、豊中市、泉大津市、高槻市、守口市、茨木市、八尾市、箕面市、門真市、摂津市、高石市、東大阪市、三島郡及び泉北郡の区域)

研修および試験を実施する場所は、特定指定地域を管轄する東京・横浜・大阪の各タクシーセンターで行います。

タクシーセンターとは、タクシー業務適正化特別措置法という法律に基づいて国土交通大臣の指定を受けた東京・横浜・大阪の3つの機関です。

おもに、研修および試験の実施・運転手の登録業務・タクシー乗り場の設置・お客様からの苦情の受付などの業務を行っています。

研修および試験にかかる費用は、研修費が各タクシーセンターで異なりますが5千円程度です。試験の費用は法令・安全及接遇と地理の二科目で各3400円です。

研修および試験にかかる費用はほとんどのタクシー会社が負担してくれます。ただし2回目以降の試験費用は、自己負担になるケースがありますので注意が必要です。

また、法令・安全及接遇および地理の試験がない地域以外(先ほどの東京、横浜、大阪などの特定指定地域以外)で、タクシードライバーとして仕事をする場合は、各タクシー会社の規定により異なりますが地域ごとにあるタクシー協会などの施設で3日程度の研修を行っています。

法令・安全および接遇の試験は、法令・地理・安全・接遇の講習で受けた内容が出題されます。そのため、さほど難易度は高くありません。45問出題され36問以上、正解率80%以上が合格となります。

地理試験の問題は、おもに道路・地名・建造物・駅名・公園などに関する問題が出題されます。40問出題され32問以上、正解率80%以上が合格となります。

法令・安全および接遇の試験または、地理試験の2科目のいずれかに合格した場合は、科目ごとに合格証が発行されます。この合格証は合格した日から2年間有効で、次回の試験において合格証のある科目は免除になります。

地理試験について、「地理試験は難しいのでは?」といわれます。確かに難易度が高く1回で合格するのは非常に難しく、合格率はおよそ40~50%で平均受験回数は5~6回です。
そのため、ほとんどのタクシー会社では地理試験の合格にむけて、勉強会などの対策を組んでサポートしています。

また、下記の各タクシーセンターで過去問題が掲載されていますので参考にしてください。

過去問題:
公益財団法人東京タクシーセンター
一般財団法人神奈川タクシーセンター

公益財団法人大阪タクシーセンター

4.社内研修(2~7日)

社内研修では、おもに法令・接客方法・料金メーターなどの機器の操作方法などを学びます。
また、研修の最後は、実際にタクシーで先輩ドライバーに添乗してもらいます。
そこでは、「主要道路や建物、駅や病院などのタクシー乗り場の付け方」「燃料(LPガス)を補給するスタンドの場所(LPガスのスタンドの数が限られているため)」など、現場ならではのノウハウを教えてもらいます。一般的に添乗研修は1~3日間が多いです。

私の勤務していた会社では、添乗研修は2日間でした。先輩ドライバーに現場でいろいろ教えてもらいましたが、到底2日間の添乗研修では覚えられる訳がありません。ですが、1か月もすれば徐々に慣れてきますので心配は無用です。

こうして添乗研修を無事に終えたら、いよいよタクシードライバとしてデビューです。

まとめ

経験ゼロでタクシードライバーになるまでの流れを紹介しました。タクシー会社によって、研修内容および研修期間に違いはありますが乗務開始までの期間は、おおよそ1か月かかります。
特に難易度の高い二種免許を取得ための技能試験や地理試験をパスするには大変だと思いますが、タクシードライバーになるためには通らなければならない道です。
ぜひ、お客様に安心して乗ってもらえるタクシードライバーを目指して頑張ってください。

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